モデル撮影の現場に携わるクリエイターに本音を聞く“モデルに言いたいこと”。
今回は、男女問わず数多くのモデルを撮影しているフォトグラファー白川翔(@shirastagram28)さんにインタビューしました!
インタビュー企画を行うにあたり、白川翔さんのInstagramでフォトグラファー向けにアンケートを行ったところ沢山の意見があったよう。白川翔さんのモデルに言いたいこと、そして多くのフォトグラファーが撮影でモデルに対して思っている本音を語っていただきました。
フォトグラファー白川翔に聞いた!“モデルに言いたいこと”
ここだけの話…、フォトグラファーがモデルに言いたいこと沢山あります!
男女問わず多くのモデルから人気を集め、大阪や東京で展示活動を行うフォトグラファー白川翔さんにモデル撮影で思うことを聞いてみました。

モデルからの依頼なのに報酬を要求してくる
白川翔:SNSのダイレクトメッセージでモデルさんから撮影依頼があってOKしたら、当日になって「交通費と1時間4,000円ください。」と言われて、依頼されて撮影を引き受けたのに事前に話していないお金も要求されてびっくりしましたね。その時は天からの恵みで雨が降り断ることができましたが…(笑)
ーそれは悪徳ですね!汗
白川翔:もし晴れてたら仕方なく撮影して報酬も払ってますが。SNSに晒されても困るし!
ープロフィールには書いてなかったんですか?
白川翔:書いてなかったですね。むしろ相互無償って書いてる上で依頼してきたからOKしたんだけど。
モデルから依頼してきたのに直前でお金をくださいというのはNG!(笑)それなら普段お願いしているモデルさん撮りたいなって思っちゃいます。
ーポートレート撮影の場合モデルが素人でも自分で有償って言ってしまえばお金を取れるので、その分トラブルも起きやすいですよね。
白川翔:他のフォトグラファーから聞いたのは、有償なのにやる気がないモデルもいるみたいで払っている報酬に合った対応をして欲しいという意見もありました。「お金をもらってやってあげてる」とモデルは考えているかもしれませんが、お金をもらった以上プロとして撮影に来てほしいですよね。
ポーズはシチュエーションに合わせて!
白川翔:フォトグラファーの中には、シャッターを切るたびにポージングを変えるモデルさんが苦手という方もいるみたいですね。
ーそれってシチュエーションに合っているかとかもあるんですかね?
白川翔:そうですね。作品撮りで自然な姿を撮りたいのにキメキメなポーズをしても浮いてしまいますし。
ロケーションやコンセプトを理解するのもモデルに必要なスキルだと思います。
スタジオ入りしてからフルメイクはNO GOOD
白川翔:今はコロナの時期だからマスクをつけてるし仕方ないと思うけど、スタジオに入ってからフルメイクはスタジオの利用時間が勿体ないので控えてほしいです。
スタジオもお金がかかってるからフォトグラファーも時間分しっかり撮りたいと思ってるし。綺麗に撮ってもらうためにその場でメイクしたいのはわかるけど、ほんとにゼロベースからすると撮影時間がどんどん短くなるから困っちゃいます…。
ースタジオ代も広くてロケーション良いところとなると高いですもんね!
白川翔:うんうん。もしするとしてもどれくらいメイクに時間かかるとか教えて欲しい。
カメラマンとモデル、男女でお互い理解し合えてない部分もあるからこういう意見が出てくるのかもしれないけど、スタジオにもお金がかかってるからカメラマンにスタジオ代を払ってもらうならモデルはそこを分かった上で撮影に行くべき!
ー最近はメイクルームのあるお手洗いも多いですし、スタジオの近くでメイクしてから撮影に行く方がフォトグラファーに優しいですよね。
レタッチにも時間がかかる。勝手に加工はやめて〜!
白川翔:加工するなら撮影終わってからデータそのままくださいって言って欲しい!(笑)
色や明るさのレタッチにも時間をかけているから、それを加工アプリとかで全く違う色味とかに変えられると“レタッチした時間返して〜”ってなってしまいます。
ーモデルは撮影中しかフォトグラファーといないから理解できていない部分かもしれませんが、レタッチも撮影時間分あるいはそれ以上かかりますもんね!
白川翔:何も言わずに加工してSNSにタグ付け投稿されると自分がレタッチしたと思われてしまうから、勝手に加工した写真にはタグ付けもして欲しくないくらいです…。
肌補正くらいなら良いけど、写真の雰囲気自体変わってしまうと作品のコンセプトが台無しになってしまうのでモデルさんは注意してくださいね!
カメラマンに丸投げはやめて〜!
白川翔:作品撮りをする時に、モデルも撮ってほしいという気持ちがあるのに場所も衣装も全部フォトグラファーに丸投げはやめてほしいという意見も多かったです!コミュニケーションと信頼があるからこそ良い作品になるし、ディスカッションをすることも大切。
ーなるほど。撮影中のモデルの態度については何かありますか?
白川翔:作品についての話し合いではなく、「この角度から撮ってほしい」「ここは写さないで」みたいな、モデル自身の写りしか考えていない指示がくることもありますが、いきすぎると“自分で三脚立てて撮ればよくない?”って思ってしまいますね。
お金をいただいてする仕事なら撮影するけど、作品撮りの時は撮りたいイメージやコンセプトに合ってない要望をされるとモチベーションが下がってしまいますね。
ー作品撮りでのお金のやり取りはどうしてますか?
白川翔:折半かカメラマン持ちが多いですかね。モデルとの仲の良さにもよりますが、撮影の回数を重ねると気を遣って折半にしてくれるモデルさんが結構多いです。
スタジオ代も高いからフォトグラファーが全額出すとなると負担が大きいし、スタジオの選択肢も減るから妥協で安いところ選んじゃったりします。
ー月に何度かスタジオ撮影するとなるとお金の面も大変ですよね…。モデルはそういうお金事情を理解することも大切!
さいごに:モデルは撮影後の目標まで考えて。
白川翔:コロナの影響もあってかフォトグラファーもモデルも撮影の機会が減って「何やってたんだろ」って感じになってる印象があります。なので、目標とか目的とか撮影したその先のことを考えないといけないなと実感しました。
ポートレートフォトグラファーにとってモデルは必要不可欠な存在だからいないと困るし、だけどモデルは溢れるほどにいるから、ちゃんとモデルとして活動したい気持ちが強い人を撮りたいなと思います。
ーありがとうございました。